ポイ活をしていると、月2万円程度、年間で20万を超えるポイントは簡単に入ってきます。これらのポイントは確定申告が必要なのでしょうか?ちょっと心配ですよね。
前提として、会社勤めをしていて通常だと年末調整で1年間の課税関係が終了している人を前提にして、税務署・税理士に確認した結果をまとめてみます。
結論から書くと、「べき論としてはポイントの取得経緯によって、一定額を超えると申告必要」。ですが、実質的には「申告しなかった場合に税務署としても追徴する根拠が明確にない」ので申告は当分しなくてもよさそう、という記事になります。
但し、税務署によって回答はどうやら変わるようなので、ご自身の所轄税務署への最終確認をオススメします。
会社勤めをしている人の確定申告(20万円ルールとは)
通常サラリーマン(給与所得者)は年末調整で年間の課税関係処理が終了します。税務署も全国民の申告に付き合う余裕がないので会社にその代理をさせていることにもなります。
給与以外の所得を得ているサラリーマンも多数いますが、税務署としては、「少額な税金は事務処理負荷とのバランスで追及しない」という姿勢で、「確定申告をしなくてもいい人」が例外ルールで定められています。
それが20万ルールですね。給与以外の所得(収入-必要経費)が合計20万未満であれば、確定申告はしなくてもよい。
ただ、ここで一応触れておきたいのは、上記のルールの適合者はあくまで「年末調整だけで課税調整が完結する人」だけです。
ポイ活にご興味のある方は「節約」に興味がある方だと思われるので、ふるさと納税や医療費控除で確定申告をするようなケースも多いと思います。
その場合、「申告」という行動を起こしちゃってるわけなので、確定申告の名のとおり全てを網羅した確定的な申告をしなければなりません。もし、ポイ活にて課税が必要な所得が発生している場合は、その申告が必要、ということになります。
ポイントは果たして所得なのか?
通常我々陸マイラーはポイントを「○円相当」として認識しています。年間でいうと数十万ポイントは普通に貯まる「ポイント活動」を行っています。となると心配になるのはは所得なのか?というシンプルな問い。
とはいえ、ポイントの付与のされ方にも色々ありますよね?
などなど、数え上げればキリがないです。
これらがすべて同じ考え方になるのか、バラバラに考えるべきなのか、税務署・税理士にも確認をしてみました。
確定申告しないといけないポイントはこれだ。
○ショッピングに基づき付与されるポイント
購入することよって発生するポイントは、サービス提供者の「値引き」にあたる。よって所得とはみなされない(非課税)。だそうです。
即ち、1000円のものを買ったら、10円値引いてもらい、990円で買ったのと同じだ、という考え方。ですね。
○カード申込など、サービスの申込に対して付与されるポイント
入会キャンペーンなどによって付与されるポイントは、企業と交わしたサービス契約の一部とみなされる、とのこと。よって非課税。
例えばdカードなどの入会特典は期間限定dポイントで付与されたり、IDキャッシュバックだったりで付与されたりしますが、これらは明確にクレジットカード会社が、顧客囲い込み(カード使用促進)サービスの一環として行っていること。これらの考え方が適用されることになるらしいです。
○アンケートに答えることによって付与されるポイント
微々たる額ですが、敢えて理屈を当て込めば企業からの依頼に対する役務提供ゆえ、報酬性があるので雑所得
○ログインすることによって付与されるポイント
サイト(企業)の顧客囲い込みサービスの一環なので非課税
○友達紹介に対して付与されるポイント
役務提供に対する企業からの報酬に近いので雑所得
○レストランモニターによって付与されるポイント
こちらも企業からの依頼に対する役務提供の報酬性があるので、ポイントが支払った金額やかかった交通費を上回っていたら雑所得
○賞金ランキング上位になったりしてもらえるポイント
紹介ポイントなどの積み重ねによるものであれば雑所得。単なる懸賞ポイントの場合は一時所得。
ただし・・
ということで以下の話が。。
同じポイントプログラムの中に多数の種類の所得が混在し、それらを分けて管理することは困難であり、個人が取得するポイントは一時所得が多数であることも想定される。
その際、一時所得には特別控除があるので、実際の申告にまで及ばないことが想像される。(これは後掲する論文にも記載されています)
もひとつ、税理士先生からのお話が。。
そもそも今、ポイントを課税処理するための法定調書(支払調書)は存在していない。
通常、報酬が発生したら、企業はその金額を明記して契約者(我々陸マイラー)に送付しないといけないし、税務署にも報告が必要。
それが存在していない、ということは、税務署サイドも「課税逃れしているだろう?」と詰め寄るエビデンスが無いことになる。
だそうです。。
課税処理のタイミング
ポイントプログラムの法的性質は、企業から個人への贈与契約。ただし、その贈与されたポイントは保有者の意思表示(請求等)によって初めて確定するという「停止条件付贈与契約」。
さらに、請求等が発生するまでは、ポイント付与者に解除権等も与えられているという性質を持っているので、課税すべきタイミングは「使用時」でOK。とのこと。(これも論文と同じ)
でもマイルとして貯めたものを「交換」するときって、特典航空券がメインですよね?その場合の課税額って一体。。
これは元々付与されたときのポイント単価でよいそうです。なぜならもらったポイントの価値は基本同じはずだが、特典航空券という最もお得な使い方をしただけ、だから、と考えてよいそうです。
国税庁の見解
まだ国税庁ではポイントプログラムに関する課税取扱いは研究段階のようです。よって、ポイント課税の取扱いについては、広くルールを周知するような「タックスアンサー」などへの掲載は行われていません。
ただし、課題意識はもちろん持っていて、国税庁HPの「税務大学校の研究活動」に論文の形で法人税務と個人税務についての検討が掲載されています。
近い将来はこれらの研究をもとにルール化されることが、想像できそうですね。
今後の動き
前述したとおり、既に研究は進んでいるので、法定調書の法整備や、タックスアンサーなどへの記載が始まってきたら、我々も真剣に税申告を準備せねばなりません。
もう一つ話題として興味深いのがマイナンバーカードの動き。
政府はマイナンバーカードに、異なるクレジットカードのポイントやマイルを合算する試みを発表し、総務省では専用サイトが立ち上がっています。
近い将来、ポイントも個々人に紐づけて管理される時代が来るかもしれませんね。
そこに向けても安定したポイ活を行いたいものです。
コメント